
『戒体即身成仏義』(仁治三年 聖寿・二十一歳)
かいたいそくしんじょうぶつぎ。仁治三年、宗祖・御寿二十一歳、いまだ「蓮長」とお名乗りありしときの御述作。「この法華経は三乗・五乗・七方便・九法界の衆生を皆毘盧遮那(びるしゃな)の仏因と開会す」「譬へば家を造ってこぼ(毀)ち置きぬれば材木と云ふ物なり、数の失せたるに非ず、然れども人の住むべき様無し、還って家と成れば又人住むべし。されば四悪趣も五戒の形は失せず」「謗と云ふは但口を以て誹(そし)り、心を以て謗(そし)るのみ謗には非ず。法華経流布の国に生まれて、信ぜず行ぜざるもすなわち謗なり」等。